僕には縁のないことだと思っていたことが、ついに起きてしまったのです…。
経緯
2010年末にヨドバシで投げ売りされていた、バッファローのHD-CBU2(1TB)。お値段8,980円。(以下HDD1とします)
ここ1年くらいはずっと、過熱で接続が切れることがよくあって、そういうときは電源ケーブルを抜いて冷やせばまた問題なく使えていました。
5月9日の夜。外付けにアクセスするソフトが暴走したので、「アクセス音してないしいいだろ!」と外付けの電源ケーブルを引っこ抜きました。これが悪夢の始まりだったのでしょう。
5月10日。前の日に外しておいた外付けが、いくら接続しても認識されません。今まではそんなことなかったのに。いろいろ調べるうちに、どうやら論理障害が発生したようだということがわかりました。
5月11日。もともと内蔵ドライブの容量が少ないから外付けを買ったのです。外付けがなくては話になりません。ヨドバシに行って、「冷却ファンつき」と銘打ってある、これまたバッファロー製のHD-LBU3(2TB)を購入(以下HDD2)。それと、HDD1からデータをサルベージせねばならないので、ファイナルデータ10も合わせて購入。
家に帰ってきてファイナルデータを試そうと思いましたが、ここでふと気が付きます。
「パーティションが壊れただけじゃねーの??」
そこで、MiniTool Partition Wizardなるものがあるのを知り、これで「パーティションの復元」というのを試してみますが……。結果は同じで、やっぱり認識できないことに変わりはありません。[1] AOMEI Partition Assistanceも試しましたが、同じでした。
次に思いついたのはchkdskです。「ファイルシステムが壊れているなら修復すればいいだろ!」と。ここで僕は思い至りませんでしたが、後々調べてみると、ファイルシステムを修復する=壊れたデータを破棄するということだとわかりました。どんなに大事なデータでも、壊れた部分だと判断すれば消されてしまいます。やらないほうが賢明です。
5月12日。この日は模試だったので、夜帰宅してからようやくファイナルデータを使います。
まず物理ドライブでHDD1を選択すると、「パーティション検出」という作業で30分くらいガーッと全体にアクセスしている模様[2] 。しばらくして音が鳴り止んだので見てみると、ちゃんとNTFSのパーティションが1つ検出されました。このNTFSというのを選択してOKを押します。すると、「削除ファイルの検出」という作業に入って、これがまた長いことかかるので、これを翌日にすることに。
5月13日。予備校に行く間に「削除ファイルの検出」を済ませましたが、出てきたのは本当に削除したファイル・フォルダばかりで、まだ自分の欲しいものは何も出てきていません。説明書によれば、ここからやらねばならない作業は「セクタスキャン」です。非常に時間がかかります。ましてHDD1のように1TBともなればなおさらのことです。
途方に暮れた私は、「時間と技術に対価を支払うということにして、データ復旧サービスを申し込もう」と決意しました。2~3万円でやってもらえればその方が圧倒的に合理的だったからです[3]。
5月14日。HDD1の箱に入っていた「日本データ復旧サービスセンター」というところに、論理障害であること、chkdskを2回ほど実行したことを書き添えて、概ねいくらかかるのか、夜にメールフォームで問い合わせました。
5月15日。予備校が休みなので、昼まで寝ていたんですが、起きてきてメールをチェックすると、前日の問い合わせに対する返信が。そこには…
想定される金額といたしましては通常の場合8~22万程度、 機械的に損傷している場合は12.6~55万程度となります。
マジで!?そんなかかんの!?
明らかに予算を超えているのでパスです。
データ復旧に関していろいろ口コミなどを見ていると、大阪にギガデータという業者があって、ここなら論理障害は上限4万2000円(税込)で対応できるとのこと。先ほどと違いずいぶん安いので少し半信半疑ながら、一応問い合わせてみることに。他社で8万と言われたこと、それから(chkdskをかけたため破損しているかもしれないのだが、)復旧可能データ一覧に示されたファイルは破損していないファイルのことかどうかという質問を添えて問い合わせフォームから送信。
15分(早い!)で返信がきました。
部品交換が必要な重度物理障害の場合は要お見積となりますが、 論理障害、軽中度物理障害は上限42,000円(税込)で対応させて頂きます。 復旧対象になるデータは検出いたしました全データとなります。 ※システムデータ、破損データも含みます。 診断及び診断後のキャンセルは無料となっておりますので、 是非ともご依頼下さい。
上限4万円というところに依然不安はあるものの、自力でサルベージするような時間はないし、藁にもすがる思いでとりあえず初期診断をしてもらうことにしました。
5月19日。18日に持ち込んだHDD1の診断結果が届きました。
メール本文は長いので割愛して要約を記すと、
- データ領域初期化(論理障害)、不良セクタ発生(物理障害)のため、軽中度物理障害で対応。
- データ保存領域に約478GBのデータを確認[4] 。
- 自分が特に復旧を希望するデータが多数検出できた。
- ランダムに50ファイル動作確認した範囲では破損したファイルはなかった。
ほぼ自分の希望通りになりました。ありがたやありがたや……。
5月25日。HDD2を持ち込み。このとき、USBケーブルとACアダプターを持っていかなかったら「えっ…」と言われました。こっちは持っていかないといけないらしいです。幸いむこうで同型のケーブルがあったのでそれで対処してもらいました。
5月26日。47,000円を支払い、HDD1とHDD2を引き取りました。
原因
原因として考えられるのは、不良セクタです。ギガデータの担当の方も、
根本的な原因は不良セクタ(軽中度物理障害)ですが、 不良セクタの影響を受けてシステムが破損(論理障害)することはよくございます。
とおっしゃっていました。
確かにHDD1に以前から不良セクタがあることはわかっていました。正常に動作していたころのことですが、chkdskを実行してみると
ファイル レコード xxxxxxx を読み取れません。
という表示が(それこそ山のように)出てきていました。ただ、不良セクタを放置しておくと論理障害につながるというのは知りませんでした。
復旧サービス業者について
HDD1の箱に入っていた紙には、日本データ復旧サービスセンターのチラシが入っていました。BUFFALO製品であれば3割引で対応してくれるということでしたが、結局問い合わせの結果論理障害でも最低8万円かかると言われましたから、いくら3割引でも56,000円は下らないわけです。これでは予算を大幅にオーバーしかねませんでした。
ネットでよく調べてみると、「大手業者は寡占市場だったころに経営規模を大きくし過ぎて、結果として料金が高くなっている」というような言説がみられました。確かに当たっているかもしれません。今回私が依頼したギガデータさんは、小さいビルのワンフロアで営業している、少人数経営の企業さんです。設備が少ない分だけ料金も低く抑えられるのではないかと思いました。
結論
バックアップは複数とっておきましょう。HDDはとにかく熱くなりやすいですから、ひと月に1回くらいはchkdskで健康状態を把握しておく方がいいと思いました。